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【薬剤師】私が大学病院から薬局へ転職した理由。

私が大学病院から調剤薬局へ転職した理由。
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私は薬剤師として新卒で大学病院に就職しました。

働きながら大学院にも進学しました。

そして就職して3年3ヶ月後、大学院を中退して調剤薬局へ転職しました。

今回はどうして大学病院に就職し、なぜ調剤薬局へ転職したのか、私の経験と考えをまとめました。

この記事はこんな方におすすめ

・病院か調剤薬局、どちらに就職しようか迷っている

・調剤薬局の雰囲気を知りたい

・病院での業務に不満がある

・もっとプライベートを充実させたいと思っている

目次

大学病院に就職した理由

大学病院に就職した理由

私が大学病院に就職した理由は、キャリアアップのためです。

具体的には、次の2つのメリットに惹かれました。

①がん専門薬剤師養成プログラム

その大学病院にはがん専門薬剤師養成プログラムがあり、専門性を高めるためにこのプログラムに参加したいと思っていました。

プログラムの内容は、がん専門薬剤師の資格を持っている先生から指導を受けながらがんに関する研究をするというものです。

②社会人博士課程に進める

働きながら大学院に進学できる制度がありました。

当時の私は博士課程の大変さを全く知らずに、進学したほとんどの人が卒業できると思っていました。

大学病院での仕事内容

大学病院での仕事内容

まずはご存知ない方のために、主な病院薬剤師の仕事内容を解説します。

疑義照会
処方箋の内容が合っているか確認して、もし「これ間違ってるんじゃない?」という部分があれば医師に電話して確認します。

調剤
処方箋の内容が合っていたら(あるいは疑義照会が終わったら)、処方箋の通りに薬を集めます。

鑑査(一番重要!)
調剤が終わったら、別の薬剤師が合っているかじっくり確認します。

点滴の調製
点滴バッグに注射薬を混ぜる仕事です。化学反応が起きてしまう組合わせになっていないかなど、チェックしながら行います。処方箋の確認や疑義照会、鑑査もあります。

医薬品情報(DI)の管理
医師からの問い合わせに対応したり、MRの対応をしたり、何か医療ミスがあれば全体に周知して注意喚起したりします。

血中濃度の測定
患者さんの血液を機械にかけて、飲んでいる薬の濃度を調べます。もし高すぎたり低すぎたりしたら、医師に改善案を提案します。

病棟で患者さんの様子を確認
担当の患者さんに、困ったことがないか、体調不良がないか毎日聞いてまわります。何かあれば看護師さんや医師に報告・相談します。

研究
仕事をする中で疑問に思ったことなどをテーマにして、業務時間外にデータを集めたり実験したりします。年に数回、学会で発表もします。

細かいことは省きましたが、ざっくり言うとこんな感じです。

病院薬剤師のタイムスケジュール

病院薬剤師のタイムスケジュール

私が病院薬剤師として働きながら大学院にも通っていたときのタイムスケジュールをご紹介します。

8:00 出勤し、始業の準備をする。当直から申し送りがあれば聞く。

8:30 薬剤部全体で朝礼をし、その後部署ごとに朝礼して業務開始。調剤や調製がメイン。

12:00 昼休み。コンビニ弁当を10分で食べ、研究のための論文検索などをする。

13:00 休憩終わり。日によっては午前と違う部署で働く。血中濃度測定やDIなど。

17:15 定時。病棟に移動して病棟業務をする。

19:00 早ければ病棟業務が終わる(21時頃までかかることもある)。

19:30 大学院生として研究をする。論文検索、実験、データ整理など。

21:00 早ければ作業にキリがつく。

21:30 同期と夕食(王将、吉野家など)。

22:00 帰宅。研究室の勉強会が近いときは深夜まで資料作り。

これは割と早く帰れた例ですが、遅い時は帰宅時間が24時まわってました。

転職しようと思った理由

転職しようと思った理由

体調

上記のタイムスケジュールを見ても分かるように、結構忙しい毎日を送っていました。

平日だけでなく休日も研究していたので、正直いって休まるときがありませんでした。

たまに休みがあってもとにかく寝るだけで、遊びに出かける気力すらなくて「この生活を続けたら絶対体を壊す」と思ってました。

博士号の狭き門

博士課程に進むまでは、カリキュラムに沿って研究すれば、ほとんどの院生が博士号を取れるものだと思っていました。

でも実際は、優秀な研究実績を残して、論文が権威ある雑誌に掲載された数少ない人だけが卒業できる狭き門でした。

特に私のいた研究室は、教授がかなり厳しくてほとんどの院生が卒業できずにいました。

そんな先輩方の姿を見たら、自分が博士号を取得するイメージが全く湧きませんでした。

どうせ無理なら早めにキリをつけて辞めた方がいいのでは、と考えるようになりました。

給与と学費と貯蓄

まず大学病院の給与は安いです。

毎日残業してやっと月23万くらいだったと思います。

そこから、私の場合は大学院の学費を払っていました。

その結果、なんとか生活はできてもほとんど貯蓄できませんでした。

このままここにいても、将来の結婚資金や、老後の蓄えは絶対できないと思いました。

転職活動の流れ

転職活動の流れ

私が行った転職活動の流れです。

通常は転職先を決めてから、辞める1ヶ月前に職場に退職願いを出すと思います。

ですが私のいた病院は、人員が足らなすぎて「来年の採用人数を決める前に言ってくれないと困る」と言われたので、辞める1年前から離職の話をしました。

①薬剤部のボスに離職の意志を伝える(辞める1年前)。

②やっとボスから離職を認めてもらう(辞める半年前)。

③複数の転職エージェントに登録。

④エージェントの担当者に現状と転職先の希望を伝える。

⑤提案された転職先をチェックし、2社まで絞り込む。

⑥2社の面接を受ける(辞める3ヶ月ほど前)。

⑦2社とも内定をもらったら、どちらかに決める。片方への内定辞退は、エージェントを通して伝える(辞める2ヶ月ほど前)。

⑧仕事の引継ぎと離職の手続き(私の場合は大学院の中退手続きも)を行う。

調剤薬局を選んだ理由

調剤薬局を選んだ理由

病院から病院へ転職するという選択肢もあったはずですが、私は調剤薬局を選びました。

次のような理由からです。

給与アップ

一般的に、病院より薬局の方が給与が高いです。

病院で働いていてもあまり貯蓄できなかったので、もっと稼ぎたいと思いました。

実際、病院の給与は残業なしで月18万くらいでしたが、薬局に転職して月25万になりました。

自分の時間が増える

薬局では当直がありませんし、日々の残業も少なめです。

病院では休日に遊んだりできなかったので、もっと趣味の時間を増やしたいと思いました。

病院はどこも大差ない

他の病院へ転職してもやはり当直はありますし、どの病院も人員不足です。

病院から病院へ転職しても現状はあまり変えられないと思いました。

環境を変えたいなら、全く違うところへ転職した方がいいと判断したんです。

薬局薬剤師のタイムスケジュール

薬局薬剤師のタイムスケジュール

私が調剤薬局に転職した後の1日のタイムスケジュールをご紹介します。

8:50 出勤。着替えて準備。

9:00 朝礼を行い、業務開始。調剤や投薬など。

13:00 お昼休憩。お弁当を食べた後は読書。

14:00 休憩終わり。

18:00 定時。仕事が残っていれば少し残業する。

19:00 残業終了。

19:30 帰宅。夕食を食べて入浴。

出勤時間は遅くなり、帰宅時間はかなり早くなりました。

朝の始業準備は当番制になり、当番になった時だけ30分早く出勤していました。

薬局に転職してビックリしたこと

薬局に転職してビックリしたこと

転職して一番驚いたのは、薬局の同僚がみんな習い事をしていたことです。

料理教室やヨガに通っていたり、手作りのスムージーを毎朝持ってくる人を見て、これまでと世界が違いすぎてカルチャーショックを受けました。笑

前職では忙しすぎて、休日は全力で体力回復に努めていました。

趣味を楽しむ余裕は全然なかったです。

私もこれからはプライベートを充実させたいと思いました。

転職を振り返っていま思うこと

転職を振り返っていま思うこと

「病院は大変」「薬局はラク」ということではない

ここまでの内容を見ると単純に「病院は大変で薬局はラク」、「病院より薬局の方がいい」と思われそうですね。

でも大学病院で働いて良かったこともあります。

短期間のうちに調剤、無菌調製、血中濃度測定、DI業務、病棟業務、研究などのたくさんの経験をさせてもらったことです。

これは大学病院という大きな病院でなければ経験できなかったことですし、すっごく勉強になりました。

そして調剤薬局にも大変な部分はあります。

それは色々な患者さんと接することです。

話を聞いてくれない方、正しく飲んでくれない方、いつもイライラしている方など、色んな患者さんがいます。

その一人ひとりに対応するのはすごく大変です。

仕事に何を求めるか?

仕事を生きがいにするのか、あくまで生活するために働くのか。

私は最初、仕事にやりがいを感じられれば幸せに働けると思っていました。

でも違いました。

仕事だけしていたら、メンタルを病みそうになりました。

そこで転職して、仕事は生活費を稼ぐための手段と捉えることにしました。

私にとって転職は、仕事観を見直すいい機会になりました。

人生において、自分は何を大切にしたいのか、じっくり考えて就職や転職をしたいですね。

ではまた!

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