将来のために、子どもにはいい教育を受けさせたい!
色んな教育法があるけど、どう選べばいいの?
大切なお子さんの将来のため、親としてできる限りのサポートをしたいですよね。
でも教育法について調べると情報があふれていて、結局何がいいのか分からなくなりませんか?
今回は世界の幼児教育のうち、実績のある6つの教育法についてまとめました。
選び方もまとめましたので、どの教育法がお子さんに合うのか考え、ぜひ家庭にうまく取り入れましょう。
幼児教育の意味と意義
一般的に幼児とは、乳児期を過ぎた1歳から、就学前の6歳までの時期をさします。
そして「幼児教育」とは、幼稚園・保育園で受ける教育に加え、家庭や地域社会での教育など、生活全般における幼児期の教育をいいます。
幼児期には大脳神経系の約80%ができあがり、言語・身体能力が発達し、コミュニケーション能力や社会性も身につけ始めます。
そのためこの時期に受ける教育は、生涯にわたる人格・能力の基礎、学習の土台となるためとても重要です。
幼児期にバランスの取れた人間形成の基礎を身につけることは、その後の健やかな成長、さらには将来に大きな影響を与えるのです。
早期教育との違い
幼児教育と早期教育では目的が大きく異なります。
幼児教育の目的:生涯にわたる人格形成や学習の基礎をつくること。
早期教育の目的:受験や芸術・運動など専門的な技能の習得。
小学校受験などを見据えた早期教育では、知識の習得や学習の先取りを重視します。
また、早期教育は大人の意向で行われるケースが多く、家庭によっては乳児期や胎児期から始める場合もあるでしょう。
しかし幼児教育では、子どもの内面に働きかけ、目先の結果よりも、学習意欲や探求心などを培わせ可能性を伸ばすことを重視します。
モンテッソーリ
将棋の藤井聡太二冠が受けていたことでも知られるモンテッソーリ教育は、イタリアの医師マリア・モンテッソーリ(1870~1952)が、生理学的な根拠に基づいて構築した教育法です。
子供の中にある本来の良さや未知の可能性が表れるためには、次の4つのステップを踏むことが大切だとモンテッソーリは言っています。
①自由に遊ぶ
②選んだことをくり返しする
③くり返しながら集中する
④完了感・充実感・幸せ感をもって終了する
詳しくは以下の記事にまとめています。
フレーベル
フレーベル教育は、ドイツのフリードリッヒ・フレーベル(1782-1852)が自然の摂理からヒントを得て考案した教育法です。
彼は幼児を尊敬と愛を持って教育しようと、6才以下の幼児を集めた世界初の幼稚園、キンダーガルテンをつくりました。
フレーベル教育では、自然との触れ合いを大切にし、大人は命令や干渉をしません。
子どもたちは遊びながら自発的に学ぶのです。
フレネ
フレネ教育はフランスの教師、セレスタン・フレネ(1896-1966)が子どもの生活と表現を主軸に実践した教育法です。
彼は教育思想家でも教育学者でもなく南フランスのちいさな学校の教師で、生涯を通して教育現場に携わりました。
フレネ教育を受けた子どもたちは「対話の名人」と呼ばれます。
それは日頃から文章表現や話し合いをして、自分の気持ちを表現する習慣ができていることに由来します。
シュタイナー
シュタイナー教育は、哲学博士のルドルフ・シュタイナー(1861-1925)が精神科学、芸術の観点から構築した教育法です。
0~7歳は、土台となるからだづくりが大切だとシュタイナーは考えました。
後に発達する「感情」「思考」をこの時期に刺激しないよう、静かで、穏やかで、やわらかく、あたたかな環境を用意してあげましょう。
そして幼児期はとにかく大人のマネをする時期です。
「~だから〇〇しなさい」と言葉で言うのではなく、行動で示すと子どもはマネして覚えます。
ニキーチン
ロシアがまだソ連と呼ばれていたころ、モスクワの郊外に住むニキーチン夫妻は、共働きしながら7人の子どもを保育園にも預けず、健康で聡明に育てあげました。
知育や身体鍛錬というユニークな教育方法は世間から多くの批判を受けましたが、7人の子どもたちはみんな才能あふれる優秀な人物に成長しました。
ニキーチン教育の大きな特徴に「積み木」があります。
「模様づくり」「ユニキューブ」など、パズルのように遊ぶことで空間把握能力などを鍛えられます。
コダーイ
コダーイ・ゾルターン(1882-1967)はハンガリー生まれの作曲家です。
1941年には、論文「保育園における音楽」を発表し、子どもの音楽教育を改革するべきだと訴えました。
コダーイは子どもにふさわしい音楽として、わらべうたを推奨しています。
わらべうたは親子のコミュニケーションを増やし、子どもの言語能力を発達させるのです。
音楽は楽しいだけでなく、注意力、集中力、決断性などを発達させ、その結果頭が良くなることも分かっています。
何を伸ばしたいのかで選ぶ
様々な教育方法があり、どれがわが子に合うのか判断に迷ってしまいますよね。
子どものどんな能力を伸ばしたいのかで選ぶのもひとつの手です。
知能を伸ばしたい
教具や積み木など、どちらかというと脳を鍛えることに特化しているのがこの3つです。
- モンテッソーリ
- フレーベル
- ニキーチン
感性を磨きたい
文章表現や歌など、どちらかというと感性を磨く内容になっているのがこの3つです。
- シュタイナー
- フレネ
- コダーイ
得意な分野で選ぶ
お子さんがどんな分野に興味があるかで選ぶこともできます。
数学・研究などの理系分野
空間把握能力や観察力を鍛えるのがこの3つです。
- モンテッソーリ
- フレーベル
- ニキーチン
芸術・表現などの文系分野
自己表現の能力を鍛えるのがこの3つです。
- シュタイナー
- フレネ
- コダーイ
全てに共通するのは「尊重」と「遊び」
今回ご紹介した教育方法のすべてに共通しているのは「子どもを尊重すること」と「遊びながら学ぶ」ことです。
「わが子のためにより良い教育を受けさせたい」とお考えだと思いますが、一番大切なのはお子さんの意志です。
大人の希望で選ぶのではなく、お子さんをよく見て「この子はどんなことに興味があるんだろう?」と考え、合うものを見つけてください。
決して「やらせる」という考えにならないようにしましょう。
またこういった積極的な幼児教育は流行っていますが、必ず必要というわけではありません。
子どもにはまず楽しさ・幸せを感じてもらうことが大切です。
楽しめる範囲で、遊びとして取り入れてみるのもいいでしょう。
参考:[月刊クーヨン9月号増刊]のびのび子育て(発行・クレヨンハウス)