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子どもが本当にやる気になるにはどうしたらいいの?
親がやらせるんじゃなく、もっと自主的に学んでほしい…
お子さんの教育について、こんなふうにずっと悩んでいませんか?
この記事でご紹介するフレネ教育は、子どもたちが自分で目標を決めて自己評価もする、子どもの自主性を育てる教育法です。
これを読めば、子どもが自ら学び成長するために必要なこと、そして親がすべきことが分かります。
将来、子どもたちが自分で未来を切りひらいていけるよう、今から自主性を育ててサポートしてあげましょう。
フレネ教育とは
現場の教師が考えた実践的なメソッド
フレネ教育はフランスの教師、セレスタン・フレネ(1896-1966)が子どもの生活と表現を主軸に構築した教育法です。
フレネは教育思想家でも教育学者でもなく、南フランスのちいさな学校の教師で、生涯を通して教育現場に携わりました。
彼は退屈な授業に興味を示さない子どもたちを前に、「子どもが本当にやる気になるにはどうしたらいいか」を考えました。
そして実践によって表現、話し合い、自己評価といった具体的なメソッドが生まれました。
異年齢の子どもが一緒のクラス
フレネ学校では、3~5歳、6~7歳、8~11歳というように、異年齢の子どもたちが同じクラスになっています。
そのため年長の子がちいさな子に気を配るなど、互いを思いやる気持ちが自然と育まれていきます。
3歳から文章で表現
フレネ教育の大きな柱に「自由作文」と「印刷」があります。
大人が「さあ作文を書きましょう」と言って始めるのではなく、子どもたちが日常生活のなかで発見し、表現したいと思ったことを文章にしていきます。
さらに発表された作文から、先生と子どもたちが選んだものを、別の子が印刷して絵をつけて配られます。
自分の文章が印刷され、他の人に読まれるのは嬉しいですよね。
こうして自分の思いをきちんと表現しようという意欲が湧いてきます。
自分で評価を決める
フレネ学校では、子どもたちは基本的に自分のペースで勉強します。
わからないことがあれば、先生に質問して個別でじっくりと学ぶというスタイルです。
子どもたちは成績や学校での仕事について、目標を立てて「活動の計画表」に書き込みます。
そして毎日、目標どおり進んだ分だけマス目をペンで塗りつぶします。
目標を立てて2週間たったら、みんなの前で自己評価をし、みんなの意見もふまえて最終的な評価を決めます。
活発な意見交換
話し合う習慣
フレネ学校の子どもたちは「対話の名人」と呼ばれます。
学校では、朝の会、帰りの会、コンフェランス(親と子の研究発表会)、学級・生徒集会があり、積極的に意見交換をします。
クラスには子どもたちが言いたいことを自由に書き込む壁新聞があり、「称賛する」「批判する」「希望する」「実行した」という4つの欄に分かれています。
ここに書かれたことが次の話し合いのテーマになります。
これはお互いの考えを話し合う習慣をつけているためです。
先生も話し合いに参加しますが、時々コメントしてサポートするだけで、議長は子どもが務めます。
先生の役割
フレネ学校の先生たちは、子ども一人ひとりの言うことをしっかり聞き、そして話し合います。
そういった姿を普段から見ている子どもたちは、「先生はちゃんと話を聞いてくれる」と信頼しています。
この「よく話し合う」というのは家庭でも大切なことです。
子どもが話したがることを、聞いて反応してあげる、そこから信頼は生まれます。
子どものプライドを傷つけない
フレネ教育に携わる教師は、次の3つのポイントを大切にしています。
- 子ども一人ひとりを尊重すること
- 子どもの情熱、欲求を最高の段階まで導く
- みんなの前で失敗させない
みんなの前で失敗させないために、個別学習が多くなっています。
先生と1対1の時なら、本の音読を失敗しても、それを訂正されても大丈夫です。
でも日本の学校では、「教科書40ページを開いて。〇〇君、立って読んでください。」なんて言われますよね。
そして音読に詰まったりすると、周りの子がチャチャを入れたりします。
フレネ教育の学校でもみんなの前で詩を読むことはありますが、あくまでも「自分が覚えたものをみんなが聞いてくれる」という誇らしい気持ちで行うもので、つっかえたら他の子がそっと教えてあげます。
メリット・デメリット
メリット
メリットは次のような点があります。
①個性を尊重する
自分の思いを表現し、周りから認められたりお互いに批判し合ったりすることで、自分の個性を尊重してもらうことと友人の個性を尊重することの両方を学びます。
②自主性を育む
自分の学習成果をみんなの前で発表することが、さらに良いものを生み出そうという意欲を引き出します。
③互いを思いやる気持ちをはぐくむ
年齢の違う子供たちが共に学ぶため、互いを思いやる気持ちを育みます。
デメリット
逆にデメリットは次のような点です。
①日本では実践している学校が少ない
日本では、フレネ教育を実践している学校が少なく、受けたいと思ってもすぐに学べる環境がないというのが現状です。
②教師によって能力に差が出る
フレネ教育では生徒が個別で学習していくため、教師の力量によって生徒の成長に差が出やすくなります。
フレネ教育を実践している幼稚園・学校
フレネ教育を実践している幼稚園・学校は日本に3つあります。
具体的にどんな取り組みをしているかは、公式ホームぺージを参考にしてみてください。
◆けやの森学園(埼玉県狭山市)
対象年齢:幼稚舎は3~5歳、保育園は6ヶ月~就学前
◆ジャパンフレネ(東京都)
対象年齢:6~18歳
◆箕面こどもの森学園(大阪府)
対象年齢:6~15歳
フレネ教育をもっと知るためのおすすめ本
「くろうまブランキー」
この絵本の原作は、フレネ学校の幼児グループの共同創作によるものです。
「フレネ学校の子どもたちー小さな学校・大きな冒険 田中和飫写真集」
のびのびと学校生活をおくりながらも、とても真剣な子どもたちの目が見てとれます。
「ヴァンスのフレネ学校 学校形式の再構築に向けて」
フレネ教育の原理が、21世紀の保育・教育に大きな影響を与えていることがわかる、本格的な研究書です。
参考:[月刊クーヨン9月号増刊]のびのび子育て(発行・クレヨンハウス)